〒673-0893 兵庫県明石市材木町16番15号
受付時間
こんにちは。司法書士の荻野です。
相続放棄をした相続人が背信的な行為をしてしまうと単純承認(相続放棄をしたにもかかわらず、亡くなった人の財産を相続した)をしたとされてしまいます。
このページでは、相続放棄後の相続人の背信的行為について説明しています。
民法では、相続放棄後の相続人の次のような行為を背信的行為と定めています。
相続財産の隠匿とは、相続財産の全部又は一部の所在を不明にするような行為のことです。
隠匿時に相続人が、当該行為について被相続人の債権者等の利害関係人に損害を与えるおそれがあることを認識していれば隠匿行為に該当するとされています。
財産価値のない相続財産の形見分けは、隠匿に該当しませんが、財産価値のある相続財産の場合は、隠匿に該当する可能性があるので注意が必要です。
相続財産を私に消費するとは、ほしいままに相続財産を処分して原形の価値を失わせる行為のことです。
「私に」とありますが、実際には公然とされた行為であっても背信的行為とされる可能性があります。
また、消費とは、法律上の処分行為(相続財産を売却する等)だけでなく、事実上の処分行為(相続財産を破壊する等)も背信的行為に該当します。
悪意で相続財産を相続財産の目録中に記載しないとは、限定承認をした場合になります。
限定承認をする際には、その手続き中に財産目録を作成することになりますが、この目録に相続財産を記載しない行為が背信的行為に該当します。
目録に記載する財産は、預貯金などのプラスの財産はもちろん、借金などのマイナスの財産も含みます。
相続放棄をした相続人には、相続財産について管理義務が発生します。
しかし、相続財産について管理義務があるにもかかわらず、相続放棄をした相続人が背信的な行動をとった場合には、単純承認(相続放棄をしたにもかかわらず、亡くなった人の借金を含む財産を相続した)をしたと扱われてしまいます。
つまり、相続放棄をしたにもかかわらず、背信的行為をした相続人は、被相続人(亡くなった人)の借金の支払い義務が生じてしまいます。
これは、被相続人の債権者(亡くなった人にお金を貸していた人)を犠牲にしてまで、債権者背信的な行為をした相続人を保護するのは相当ではないと考えられているからです。
相続人全員が相続放棄をした後に、一部の相続人のみが背信的行為をした場合は、背信的行為をした相続人のみ上記「2.」に記載した単純承認をしたとされ、背信的行為をした相続人の相続放棄には影響がありません。
相続放棄をした相続人による背信的行為があった時点が、相続放棄の結果、相続人となった次順位相続人が相続の承認をした後だった場合はどうでしょうか?
次の例で説明します。
例
①被相続人(亡くなった人)の子が相続放棄
②子の相続放棄の結果、被相続人の父が相続人になった
③被相続人の父は相続について承認した
④子に背信的行為があった
このように相続放棄の結果、相続人になった次順位相続人が相続の承認をした後に、背信的行為があった場合には、相続放棄をした相続人について上記「2.」のような単純承認は発生せず、相続の承認をした次順位相続人が相続財産を相続することになります。
いかがでしたでしょうか?
相続放棄をしても、相続放棄後に背信的行為に該当する行為をしてしまうと、相続放棄が無駄になってしまいます。
当事務所では、相続放棄の申述はもちろん、相続放棄後のアドバイスしております。
相続放棄についてご不明な点等があれば、当事務所にお気軽にご相談ください。
このページが、皆さまのお悩みの解決に繋がれば幸いです。
こちらのページを読んだ方には、下記のページもよく読まれています。ぜひご一読ください。
「困っているけど、話を聞いてみないと依頼するか分からない」
「こんなこと相談してよいのか」とお悩みの方
ご依頼前の相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
受付時間 | 9:00~18:00 |
---|
定休日 | 土曜・日曜・祝日 (事前に予約をいただいた場合は面談可能) |
---|