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被相続人が残された配偶者のために贈与した家も特別受益になるの?

1.はじめに

こんにちは。司法書士の荻野です。

※このページは「生前贈与は遺産分割に影響するの?」の続きです。

​特別受益についての説明はこちらをご覧ください。

民法の改正により、配偶者間での一定の贈与等は持戻しの免除(特別受益を考慮しないで遺産分割をする)があったと推定されるようになりました。

このページでは、民法改定により追加された持戻しの免除について説明しています。

2.持戻し免除の推定

民法の改正により、配偶者間で一定の贈与又は遺贈(遺言によって財産を譲り渡すこと)があった場合は、
持戻しの免除があったと推定されるようになりました

※持戻しの免除があると、亡くなった方が生前に贈与した財産を考慮しないで遺産分割をすることになります。

要件は次の3つです。

要件1.夫婦の一方が他方に対して贈与又は遺贈(遺言によって財産を譲り渡すこと)したこと

要件2.贈与又は遺贈の対象が住居用建物又は敷地であること

要件3.夫婦の婚姻期間が20年以上であること
 

この改正の背景は、要件を満たす贈与には、
①配偶者に対する長年の貢献へのお礼
②自分が亡くなった後の配偶者の生活保障
のような意味合いが多くいからだとされています。

3.推定するとはどういうこと?

上記2の要件を満たした場合、持戻しの免除の『推定』があったされますが、推定とはどういうことでしょうか?

推定するとは、ある事項が不確実な場合に、一応それがあったものとして取り扱いその効果を生じさせることです。
推定されたものと違う合意や反証がある場合には、その取扱いを覆すことになります。

推定するの意味だけを説明すると少し難しいので、特別受益に当てはめて説明します。

配偶者が亡くなり相続が発生した場合に「贈与は持戻しをしない」等の遺言書がなくても、
上記「2.持戻し免除の推定要件」の要件を満たした贈与があれば、
その贈与は持戻しをしないでほしいという意思があったと扱います。

もし、亡くなった方が、配偶者に対する贈与を持戻してほしい意思があったと主張する相続人がいる場合は、その相続人がその事実を主張、立証することになります。

4.持戻し免除の推定はいつから施行されるか

今回ご説明した持戻し免除の推定は、2019年7月1日から始まっています。

2019年7月1日以降に行われた上記「2.持戻し免除の推定」の要件を満たす贈与には、
持戻しの免除の推定が適応されますが、それ以前に行われた贈与には適応がありません。

2019年7月1日以前の贈与も持戻しの免除をしたい場合は、遺言に記載して明確にしておくことをおすすめします。

このように、民法の改正により配偶者への一定の贈与があった場合、その贈与には持戻しの免除の推定が生じます。

しかし、推定は、一応あったものとして扱われますが、
推定されたものと違う反証があった場合は、取扱いが覆される不安定な状況です。

このような不安定な状況では、相続人は困りますし、解釈をめぐり争いが生じるかもしれません。

自身がした贈与の持戻しについて明確にしておきたい方は、遺言書で明確にその旨を記載しておくことをおすすめします。

いかがでしょうか。
このページが、皆さまのお悩みの解決に繋がれば幸いです。

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