こんにちは。司法書士の荻野です。
遺言書で『自分が亡くなったときは、財産を〇〇さんにあけます』と記載していた場合、
遺言者が亡くなると〇〇さんが遺言書に記載している財産を受取ることになります。
このように、遺言により財産を譲ることを遺贈といいます。
しかし、財産を譲り受ける側が、何らかの理由で遺贈を辞退したい場合はどうすればいいのでしょうか?
このページでは、遺贈の放棄について説明しています。
遺贈(遺言により財産を譲ること)には、特定遺贈と包括遺贈という2種類の遺贈があります。
特定遺贈と包括遺贈では、遺贈の放棄をする方法が異なります。
まずは、特定遺贈と包括遺贈とはどのようなものかについて説明をします。
特定遺贈とは、『特定の財産』を指定して遺言により財産を譲ることです。
例えば、
〇〇さんに不動産を遺贈する。
〇〇さんにA銀行の口座の預金を遺贈する。
というように、特定の財産を指定して遺言書に記載します。
遺言書で指定された財産を受取る場合、受遺者(遺贈を受けた人)は遺産分割協議に参加しなくても指定された財産を受け取ることができます。
包括遺贈とは、財産の全部又は一部について『割合を指定』して遺言により財産を譲ることです。
例えば、
〇〇さんに財産の全部を遺贈する。
〇〇さんに財産の2分1を遺贈する。
というように、割合を指定して遺言書に記載します。
受遺者(遺贈を受けた人)が財産を受取る場合、遺産分割協議に参加し、具体的にどの財産を受取るかについて相続人と話し合う必要があります。
また、遺言者に借金があるには注意が必要です。
なぜなら、包括遺贈の場合には、預貯金などのプラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も譲り受けることになるからです。
特定遺贈(特定の財産を指定して遺言により財産を譲ること)の場合、放棄をする方法に決まりがありません。
口頭でも放棄をすることができますが、後日もめないように内容証明郵便等の方法で相続人に放棄する旨の連絡をする方がよいでしょう。
また、放棄をする期限についても決まりがありません
包括遺贈(財産の全部又は一部について割合を指定して遺言により財産を譲ること)の場合、
相続放棄をする場合と同じく、家庭裁判所に放棄をする旨の申述をしなければなりません。
また、放棄をすることができる期間も相続放棄をする場合と同様、包括遺贈があったことを知った時から3か月以内となるため注意が必要です。
相続人が包括遺贈(財産の全部又は一部について割合を指定して遺言により財産を譲ること)を受けていた場合の放棄の手続きには注意が必要です。
包括遺贈を受けた相続人が『包括遺贈』について放棄をしても、『相続人として』財産を相続する資格は残ります。
もし、包括遺贈を受けた相続人が相続財産を一切放棄するなら、包括遺贈の放棄とあわせて相続放棄を行う必要があります。
いかがでしたでしょうか?
遺贈(遺言により財産を譲ること)の放棄をする場合、特定遺贈か包括遺贈かにより手続き方法が異なります。
特に包括遺贈の場合には、放棄ができる期間があるため注意が必要です。
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このページが、皆さまのお悩みの解決に繋がれば幸いです。
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